山野楽器オリジナル仕様盤のご紹介

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目次

山野楽器が東京エムプラスと共同でリリースする《山野楽器オリジナル仕様盤》。
東京エムプラスが輸入代理店となっている海外レーベルの名盤を掘り起こし、山野楽器限定で日本語解説付きにして発売するシリーズです。これまでに多くのタイトルを発売し、ご好評を得ています。すべて限定盤となっていますので、お求めはぜひお早めに!


『パレストリーナ:教皇マルチェルスのミサ/ビューティ・ファーム』

fra bernardo YFB2017671 
輸入盤国内仕様

収録曲目

作者不詳(主の待降の賛歌):来ませ, 異邦人の贖い主よ
パレストリーナ:キリエ(教皇マルチェルスのミサより)
作者不詳(キリスト聖体節の賛歌):パンジェ・リングァ
パレストリーナ:グローリア(教皇マルチェルスのミサより)
作者不詳(洗礼者聖ヨハネの賛歌):汝のしもべが
パレストリーナ:クレド(教皇マルチェルスのミサより)
作者不詳(祝福されし乙女マリアの賛歌):めでたし, 海の星(アヴェ・マリス・ステラ)
パレストリーナ:サンクトゥス(教皇マルチェルスのミサより)
作者不詳(聖ベルナルドの賛歌):ベルナルドゥス・ドクトル・インクリトゥス
パレストリーナ:アニュス・デイ(教皇マルチェルスのミサより)
作者不詳(聖霊の賛歌):テ・デウム》

ビューティー・ファーム
録音:2020年10月11日(ライヴ) ブルネンタール訪問教会(オーストリア)

 2016年に結成された男性によるポリフォニー専門声楽アンサンブル、ビューティー・ファーム。ヒリヤード・アンサンブルやザ・サウンド&ザ・フューリーといったこの分野を代表する男性声楽アンサンブルの薫陶を受けたメンバーたちが、オーストリアのマウアーバッハのカルトジオ修道院を拠点に活動しています。主に、オケゲムや、ド・ラ・リュー、ゴンベールといったフランドルのポリフォニー音楽を録音してきましたが、今作は、ルネサンス後期の大巨匠パレストリーナ、しかもその最高傑作とされる『教皇マルチェルスのミサ』を取り上げています。2020年10月11日にオーストリア、ブルンネンタール夏の音楽祭の一環として当地の教会で催されたこのコンサートは、『教皇マルチェルスのミサ』にまつわる逸話になぞらえられています。このミサには、トレント公会議で決定した音楽に対する規制によって、単旋律作品に逆戻りしそうになった教会音楽の危機を、パレストリーナが教皇マルチェルスのミサを作曲し、披露することで救ったというもので、ここでは、この教会音楽の危機を、新型コロナウイルスのパンデミックによる音楽の危機になぞらえて、現代の音楽の危機を乗り越えようという意図のある企画コンサートだそうです。そしてこのライブ録音は、ルネサンス音楽の研究者、音楽学者として、またプロ・カンツィオーネ・アンティクァを率いたその演奏活動によって、古楽界に多大な影響を与えたブルーノ・ターナーの生誕90年(2021年2月7日が90歳の誕生日)に捧げられています。
 それにしても、これがライブ録音とはとても思えません。それほど完成度の高い歌唱がここに収められているからです。最近はライブ録音といっても複数のライブから編集されたものがほとんどですが、このCDにはわざわざ、「ONE TAKE RECORDING OF A CONCERT」と明記されているので、ほぼ編集はされていないと考えてよいでしょう。それを示すように、観客の咳払いなどのノイズも若干収録されています。しかし、この極めて精緻なアンサンブルをライブで披露するのはとてつもない実力が必要なのです。それをいとも容易く成し遂げてしまっているのですから、ビューティー・ファームの歌唱力は信じられないほど驚異的です。このコンサートでは、ミサに若干のハーモニーを付けた単旋律のイムヌス(讃歌)を加えているのですが、冒頭のイムヌスからしてその響きにすぐに魅了されてしまうことでしょう。また、イムヌス「アヴェ・マリス・ステラ」(トラック7)でのドローンのようなバスの重低音は圧巻!ミサにおいても、バスの歌手の深々とした声は特筆すべきで、上声部の強固な支えとなっています。これだけバスがしっかりしていれば、さぞかし上声部は歌いやすいことでしょう。また内声部の充実度、最上声部のカウンターテナーの透き通った美しい声も絶品。全体的にもポリフォニー歌唱に最も重要なバランスが完璧に保たれており、これ以上ないほどの上質なポリフォニーを聴かせてくれるのです。パレストリーナの『教皇マルチェルスのミサ』は、前述の逸話は、現代では史実ではないことが判明しているのですが、それでもパレストリーナの最高傑作と呼ぶべきすばらしい作品であることを改めて教えてくれる歴史に残る名歌唱と言っても過言ではないでしょう。
 このCDは、古楽ファンはもちろん、普段、ルネサンス・ポリフォニーを聴かないという方にも、ぜひともオススメしたいものです。ビューティー・ファームのこの歌唱に身を委ねれば、ルネサンス・ポリフォニー音楽のすばらしさだけでなく、音楽そのもののすばらしさもきっと感じられるに違いないからです。そして音楽は人生に必要だと改めて感じられることでしょう。 こちらは一般に流通している輸入盤国内仕様の原文解説日本語訳に加えて、山野楽器オリジナル仕様のみ、山野楽器スタッフが書き下ろしたビューティー・ファームとこのCDに関するエッセイを付属。他にはない読み物なので、ぜひご覧ください。


『グイド・レーニの時代の音楽/エンリーコ・ガッティ』 

TACTUS TC-560001Y 
輸入盤国内仕様

収録曲目

フレスコバルディ:スピネッタとヴァイオリンのためのトッカータ、カンツォーナ第3番《ラ・ルッケジーナ》
パレストリーナ:《ああ、私は傷つき》に基づくロニョーニによるディミニューション
マリーニ:ロマネスカ
パレストリーナ:《草原と丘》に基づくセルマによるディミニューション、《私の髪のように》に基づくバッサーニによるディミニューション
デ・セルマ:カンツォン
デ・ローレ:《別れの時には》に基づくロニョーニによるディミニューション
カステッロ:ソナタ第1番
ロッシ:トッカータ第7番
モンタルバーノ:シンフォニア第4番
カステッロ:ソナタ第2番
ペセンティ:ガリアルダ第2番

エンリーコ・ガッティ(バロック・ヴァイオリン&音楽監督)
アンサンブル・アウローラ
録音:1987年11月

“バロック・ヴァイオリンの神様”エンリーコ・ガッティによる古楽録音史に残る超名盤!17世紀前半、イタリアのボローニャ派の大画家グイド・レーニ(1575~1642)が活躍した時代のヴァイオリン音楽を収録しています。まだヴァイオリンが主役を担う前の音楽、いわば“ヴァイオリン音楽黎明期”の作品の数々の魅力が満載です。ガッティの極美の音色、抜群のテクニック、センスあふれる即興的装飾を伴う演奏は、説得力抜群。この録音から、初期バロックのヴァイオリン音楽の魅力が伝わり始め、現在のように数多くの演奏者がこの時代の音楽を演奏・録音し始めたのです。画家グイド・レーニについて、またこのアルバムの意義についての書き下ろし解説を付属していますので、ぜひCDと一緒にお楽しみください。


『コレッリ:トリオ・ソナタ集/エンリーコ・ガッティ』

TACTUS TC-650390Y(2CD)
輸入盤国内仕様

収録曲目

コレッリ:
トリオ・ソナタ集Op.1(教会ソナタ)より ソナタ第5番変ロ長調Op.1-5、ソナタ第9番ト長調Op.1-9、ソナタ第11番ニ短調Op.1-11、ソナタ第12番ニ長調Op.1-12
トリオ・ソナタ集Op.3(教会ソナタ)より ソナタ第4番ロ短調Op.3-4、ソナタ第9番ヘ短調Op.3-9、ソナタ第11番ト短調Op.3-11、ソナタ第12番イ短調Op.3-12
トリオ・ソナタ集Op.2(室内ソナタ)より ソナタ第1番ニ長調Op.2-1、ソナタ第7番ヘ長調Op.2-7、ソナタ第10番ホ長調Op.2-10、ソナタ第12番ト長調Op.2-12
トリオ・ソナタ集Op.4(室内ソナタ)より ソナタ第1番ハ長調Op.4-1、ソナタ第3番イ長調Op.4-3、ソナタ第4番ニ長調Op.4-4、ソナタ第10番ト長調Op.4-10

エンリーコ・ガッティ(バロック・ヴァイオリン&音楽監督)
アンサンブル・アウローラ
【ルイジ・マンジョカヴァッロ(バロック・ヴァイオリン)、ロベルト・ジーニ(バロック・チェロ)、ルチアーノ・コンティーニ(アーチリュート)、グイド・モリーニ(チェンバロ&オルガン)】
録音:1987年11月

ガッティとアンサンブル・アウローラの初期の録音で、コレッリ録音の歴史に残る代表的アルバム。音楽史に燦然と輝く存在である天才作曲家アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713)は、後世にも絶大な影響力を誇りましたが、その功績のひとつが、トリオ・ソナタという形式の確立でした。そのコレッリの4巻に渡るトリオ・ソナタ全48曲から、各巻4曲ずつ計16曲を収録しています。コレッリ演奏と研究の両面で、世界をリードするガッティは、1980年代からすでに完成された完璧な演奏を披露しています。コレッリが作り上げた“音楽による理想郷”であるトリオ・ソナタの世界を完全に現出させているのです。コレッリとトリオ・ソナタについて、またこのアルバムについての書き下ろし解説付きです。


『コレッリ:コンチェルト・グロッソ集Op.6/モード・アンティクォ』 

TACTUS TC-650391Y(2CD)
輸入盤国内仕様

収録曲目

コレッリ: 合奏協奏曲集Op.6(全12曲)
(管楽器を加えた編成版世界初録音)

フェデリコ・マリア・サルデッリ指揮モード・アンティクォ
録音:1997年

 コレッリが出版した最後の作品集にして、その後の音楽史に絶大な影響を及ぼした傑作「コンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)集」作品6。原曲は、弦楽合奏+通奏低音という編成で書かれていますが、出版当初から大ヒットしたため、管楽器付きでの演奏も試みられていました。これは、楽器付き編成での世界初録音となった演奏です。バロック風の音楽の作曲も手掛けるイタリアの俊才サルデッリが率いる気鋭のピリオド楽器アンサンブル、モード・アンティクォによるこの演奏は、管楽器付きの利点を最大限生かした鮮烈な内容となっています。特に即興性あふれるトランペットの響きが効果的です。コレッリのコンチェルト・グロッソと管楽器付き編成について、また演奏内容についての書き下ろし解説を付属しています。


『マラン・マレ:「迷路の園」と色とりどりの物語/パオロ・パンドルフォ 』

GLOSSA GCD-C80404Y
輸入盤国内仕様

収録曲目

マラン・マレ:
アルペッジョによるプレリュード(第5巻より)
迷路の園(第5巻より)
鐘(第2巻より)
ポロネーズ(第2巻より)
ミュゼット(第3巻より)
ギター(第3巻より)
グルジアの女(第5巻より)
嘆き(第3巻より)
羽根つき(第5巻より)
ペルシア人の行進(第5巻より)
宝石のロンド(第4巻より)
スペイン風サラバンド(第2巻より)
膀胱結石切開手術の図(第5巻より)
旋風(第4巻より)
次男マレのためのトンボー(第5巻より)
ロンド形式のシャコンヌ(第2巻より)

パオロ・パンドルフォ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
トマス・ボイセン(テオルボ、ギター)、
ミッツィ・メイヤーソン(チェンバロ)、
ファン・カルロス・デ・ムルデル(バロック・ギター)、
アルバ・フレスノ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
フランソワ・フォシェ(語り)、
ペドロ・エステバン(パーカッション)
録音:1999年6月、クエンカ(スペイン)

ヴィオラ・ダ・ガンバの鬼才パオロ・パンドルフォによる画期的なマラン・マレ録音の第1弾。発売当時、それまでの演奏とのあまりの違いに、日本では否定的な評が多かったのですが、パンドルフォに続く演奏家たちや古楽ファンからの大きな支持を得て、今やマレ演奏の革命的録音とされています。ここには、めまいを誘発するような幻想的作品である表題作「迷路の園」、マレ自身の麻酔なしでの壮絶な外科手術の模様を音楽で表した奇作「膀胱結石切開手術の図」など、個性的な作品が並んでいます。1曲1曲が物語を成し、まるで優れた掌編小説集のような作りとなっています。原文解説の日本語訳を付属しています。


『マラン・マレ:グラン・バレ/パオロ・パンドルフォ

GLOSSA GCDC80406Y
輸入盤国内仕様

収録曲目

マラン・マレ:
組曲イ短調(ヴィオール曲集第3巻より)
組曲ト長調(ヴィオール曲集第3巻より)
組曲ニ短調(ヴィオール曲集第2巻より)

パオロ・パンドルフォ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
トマス・ボイセン(テオルボ、バロック・ギター)、
ドロレス・コストヤス(テオルボ、バロック・ギター)、
ミッツィ・メイヤーソン(ハープシコード)
録音:2001年10月、ジーメンスヴィラ(ベルリン)

パンドルフォによるマレの作品集第2弾。前作の衝撃が再び体験できる内容です。第2作目は、舞曲がテーマとなっています。表題作「グラン・バレ」を含む、3つの組曲を収録。フランス・バロックの舞踊の所作をヴィオラ・ダ・ガンバの弓の扱いにまで応用した画期的な演奏スタイルと、思わず体が動き出しそうになる舞曲のリズミカルな旋律、演奏者たちの丁々発止のやり取り。マレの音楽の革新性を聴ける一枚になっているのです。原文解説の日本語訳に加え、この演奏について、そしてマレとロココを代表する大画家ヴァトーとの関係性についてのオリジナルの書き下ろし解説を付続しています。


『イギリス・リュート歌曲集/エマ・カークビー

HELIOS YCDH55462
輸入盤国内仕様

収録曲目

ダウランド: 彼の金髪を時が銀髪に変えた
キャンピオン: あなたは若く私は年老いているが
キャンピオン: 楽しい日よ来たれ
作者不詳: わが自由は失われ(リュート独奏)
ダウランド: それは愚かな蜜蜂が話すことのできる時だった
フォード: 行け、情熱よ、つれない人の許へ
ダウランド: 喜び勇む宮廷から離れて
ハンドフォード: 今やひとつひとつの生き物が
ダニエル: 時よ、残酷な時よ
ダニエル: さまざまな欲望をまだ持つ人は
フェッラボスコ: パヴァン(パヴァーヌ)(リュート独奏)
ダウランド: 泉よ、そんなに速く湧き出ないで
ロセター: では愛は悲しみ以外の何であろうか?
ダウンランド: 時が静止する
ローズ: できる時に薔薇の蕾を摘み集めなさい
作者不詳: 愛する人よ、行きましょう

エマ・カークビー(ソプラノ)
アントニー・ルーリー(リュート)
録音:1985年6月2日 フォード寺院(ドーセット)

 古楽界に燦然と輝く名歌手、エマ・カークビー。1980年代前半から、ノン・ヴィヴラートの透明感に満ちた美しい声で、「天使の歌声」とも称賛されました。現在でも来日するなど、活躍を続ける彼女による1985年のライブがこのCD。バッハやヘンデルなどのバロック作品や、モーツァルトなどの古典派の作品まで歌う彼女ですが、その真骨頂はなんといってもイギリスのリュート歌曲。リュートとともに歌われるその繊細な美しさは、何物にも代えがたい魅力を放ちます。このライブでは、現代リュート演奏の先駆にして巨匠アントニー・ルーリーとのデュオで、ダウランドやキャンピオンといった16世紀後半から17世紀前半にかけて活躍したイギリスの作曲家たちのリュート伴奏歌曲を披露しています。現タイトルにもなっている「時は静止する」のように、時が止まるほどの美しさを見せる歌唱を聴くことができます。ルーリーのリュートも繊細に花を添えています。イギリス文化の持つ繊細で可憐な美が凝縮されたこのひと時を永遠に聴いていたくなる最高の名盤です。日本における古楽研究の第一人者、金澤正剛さんの日本語解説付き。


『J.S.バッハ:ザ・ヤング・ヴィルトゥオーゾ/リチャード・エガー

GLOBE YGLO5150
輸入盤国内仕様

収録曲目

J.S.バッハ:
トッカータ ニ長調BWV912
幻想曲とフーガ イ短調BWV922
プレリュードとパルティータ ヘ長調BWV833
トッカータ ホ短調BWV914
前奏曲とフーガ イ短調BWV894
組曲 イ長調BWV832
半音階的幻想曲とフーガBWV903

リチャード・エガー(チェンバロ)
録音:1996年1月 

古楽界の鬼才リチャード・エガーがプロとしてのキャリアの最初期に録音したバッハの鍵盤作品集。若き日のバッハが先駆たちの影響を受けながら、自らの作風を形成していく過程を音楽として聴くことができます。若き日のバッハの野心あふれるチェンバロ作品を、エガーがエキサイティングに演奏。通常の演奏とは一線を画すその演奏は衝撃的です。特に「半音階的幻想曲とフーガ」は強烈!これまでのバッハ像を覆した圧倒的演奏を堪能できるのです。原文解説の日本語訳とこのアルバムと演奏内容についての書き下ろし解説を付属しています。


『J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ/レイチェル・ポッジャー

CHANNEL CLASSICS YCCSSEL2498(2CD)
輸入盤国内仕様

収録曲目

J.S.バッハ:
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(全6曲)

レイチェル・ポッジャー(バロック・ヴァイオリン)
録音:1998&1999年

2000年のバッハ没後250年のアニバーサリーイヤーを前に発表された、“バロック・ヴァイオリンの天女”レイチェル・ポッジャーによるバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータの全曲録音。これは2枚に分けて発売されたCDをセット化したものです。日本語の解説を付けた仕様は山野楽器だけの発売となっています。現在では、同曲録音のスタンダードと言えるほど確固たる地位を確立したアルバムですが、完璧な技巧、魅惑の美音、自然な装飾、そして深い解釈によって、それまでのバッハ演奏の概念さえ変えてしまった画期的名演でした。これが本格的ソロ・デビュー盤だったのだから、ポッジャーのすごさもわかることでしょう。いまやバロック・ヴァイオリンの巨匠として、世界的な演奏家となっているポッジャーによるバッハ録音史に燦然と輝く超名演です。1セット、ぜひ比較盤として手元に置いておいて欲しいものです。ちなみに解説には、この録音の意義を書いたエッセイを収録しています。


『J.S.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集/ヴィットーリオ・ギエルミ

ARS MUSICI Y232269
輸入盤国内仕様

収録曲目

J.S.バッハ:
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第2番ニ長調BWV.1028
平均律クラヴィーア曲集第2巻より 前奏曲とフーガ第24番ロ短調 BWV.893
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第1番ト長調 BWV.1027
平均律クラヴィーア曲集第2巻より 前奏曲とフーガ第5番ニ長調 BWV.874
ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第3番ト短調 BWV.1029
平均律クラヴィーア曲集第2巻より 前奏曲とフーガ第2番ハ短調 BWV.871

ヴィットリオ・ギエルミ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
ロレンツォ・ギエルミ(フォルテピアノ)
録音:1997年10月3日-6日

 古楽界の鬼才兄弟、ヴィオラ・ダ・ガンバのヴィットリオ・ギエルミと鍵盤のロレンツォ・ギエルミによるバッハのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集。名作と知られる作品だけに、録音も数多いですが、これはヴィオラ・ダ・ガンバとフォルテピアノで3曲とも演奏した貴重な録音です。しかもフォルテピアノが、バッハも所有していたとされるジルバーマン・フォルテピアノの忠実なレプリカという点も注目点でしょう。録音は1997年で、当時としてはこの試みは画期的だったのですが、それから20年以上経過した現在でも、ジルバーマン・フォルテピアノによるバッハの演奏はいまだに貴重な存在であり続けています。ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタの演奏楽器として、ジルバーマン・フォルテピアノを用いることの妥当性に関しては、付属の解説に詳しい内容が載っているのでぜひお読みください。ギエルミ兄弟の演奏も機知に富んでいて、今聴いても非常に新鮮な響きを感じられるでしょう。演奏センスも抜群です。またあわせて収録されているバッハの平均律クラヴィーア曲集第2巻からの3曲もジルバーマン・フォルテピアノで演奏されていて、その演奏も斬新。チェンバロやモダン・ピアノでの演奏とはまた異なる響きと解釈が聴きものです。付属の日本語解説には、バッハとジルバーマン・フォルテピアノについての原文解説やその他の資料から得られた詳しい情報や楽器についての情報を掲載しています。


『モーツァルト:レクイエム/フランス・ブリュッヘン

GLOSSA GCD-C81111Y
輸入盤国内仕様

収録曲目

モーツァルト:
レクイエム ニ短調K.626
フリーメイソンのための葬送音楽ハ短調K.477
2つのクラリネットと3つのバセット・ホルンのためのアダージョ変ロ長調K.411

フランス・ブリュッヘン(指揮)、
18世紀オーケストラ、オランダ室内合唱団、
モーナ・ユルスルー(ソプラノ)
ヴィルケ・テ・ブルンメルストルテ(アルト)
ゼーハー・ヴァンデルステイネ(テノール)
イェレ・ドレイエル(バス)
ユーヘイン・リヴェン・ダベラルド(グレゴリオ聖歌指揮)
録音:1998年3月20日、東京芸術劇場でのライヴ

20世紀末、東京で行われたブリュッヘン&18世紀オーケストラの伝説のライブのCD化です。グレゴリオ聖歌が随所に挿入されている演奏は、現在でも珍しいでしょう。その効果で、コンサート会場での演奏にもかかわらず、荘厳な雰囲気を醸し出しています。さらに演奏が感動的にまで美しい!圧倒的カリスマ性を有するブリュッヘンの指揮の下、ソリスト、合唱、オーケストラが一体となってこのすばらしい演奏を作り上げています。解説には、当時から大きな話題を呼んだこのライブの客席にいた山野楽器スタッフの書き下ろしエッセイも収録されています。

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