ついにリリース!イザベル・ファウストの無伴奏アルバム!絶賛間違いなしの大名盤!

  • URLをコピーしました!

『SOLO』
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
録音:2020年4月、テルデックス・スタジオ、ベルリン
harmonia mundi/キングインターナショナル
輸入盤国内仕様日本語解説付き KKC6758
輸入盤 HMM902678

収録曲

■ニコラ・マッテイス・J(r 息子)(1670年代後半~1737):
 ファンタジア イ短調“Alia Fantasia”(ソロ・ヴァイオリンのための2つのファンタジアより)
■ニコラ・マッテイス・S(r 父)(1650年頃-1713以降):ヴァイオリンのためのエア集(Ayres for the Violin( 抜粋))
 ・プレリュード
 ・パッサッジョ・ロット – アンダメント・ヴェローチェ
 ・ファンタジア
■ヨーハン・ゲオルク・ピゼンデル(1687-1755):ソナタ イ短調
 〔I. プレリュード – II. アレグロ – III. ジーガ – IV. 変奏〕
■ルイ=ガブリエル・ギユマン(1705-1770):ソロ・ヴァイオリンのためのアミュズモン op.18(抜粋)
 〔アレグロ – アレグレット – アンダンティーノ – アレグロ/マエストーゾ- アリア/グラティオーゾ – ヴァリアツィオーネ – アルトロ – アルトロ〕
■ヨハン・ヨーゼフ・ヴィルスマイアー(1663-1722):パルティータ第5 番 ト短調
■ハインリヒ・イグナツ・フォン・ビーバー(1644-1704):
 パッサカリア ト短調「守護天使」(ロザリオのソナタより)

イザベル・ファウスト(ヴァイオリン/ヤコブス・シュタイナー(1658))
録音:2020年4月、テルデックス・スタジオ、ベルリン

イザベル・ファウスト「SOLO」
驚異的なまでの集中。やわらかにして鬼気迫るファウストの音楽

■世界最高峰のヴァイオリン奏者、イザベル・ファウスト。深遠極まりない、無伴奏による新譜の登場。奏でている音色はやわらかく、フレーズのひとつひとつにふくよかな息遣いの音楽が宿っていながら、驚異的な集中にはただならぬオーラと鬼気迫るものすら感じさせるような演奏。ファウストの音楽だけでなく、彼女が音楽に向かう姿勢までもが鮮烈にとらえられているかのうような、圧倒的な録音です。
■プログラムはバロック後期の無伴奏ヴァイオリン作品。冒頭のマッテイス(息子) の作品は3 分半ほどの作品。ファウストの演奏は静かに始まりますが、次第にこの楽曲のもつバッハのシャコンヌのような鬼気迫る凝縮された世界に、聴き手は金縛りにあったように引き込まれてしまいます。ニコラ・マッテイス(息子)は当時コレッリのソナタを非常に優雅に演奏した、という記録が残されており、卓越した技術と音楽性を兼ね備えていた奏者だったことがうかがわれます(ハプスブルク家の宮廷に仕え、残されている作品はヴァイオリン作品よりむしろバレエ音楽が多い)。
■ピゼンデルはドレスデン宮廷楽団に仕えたドイツの最高のヴァイオリン奏者でした。イタリアを訪れ、ヴィヴァルディに師事し親交を深めたことでも名を残しています。彼のソナタはバッハにも影響を与えたと考えられています。
■ギユマンはルイ15 世やポンパドゥール夫人に仕えたヴァイオリン奏者・作曲家で、当時知名度・俸給の高さで群を抜いた存在でした。しかし浪費癖があり晩年は借金に苦しみ飲酒も過ぎるようになるなど、波乱の人生を送ったといわれています。舞曲風の楽曲が連なるこのop.8 は美しい装飾的な旋律が魅力です。
■ヴィルスマイヤーは、ザルツブルク生まれで、ビーバーが率いる楽団の奏者でした。この作品は彼の唯一の出版譜に含まれるもので、楽譜の表紙には通奏低音を伴う作品を意図していた形跡もありますが、現在はソロ・パートのみが現存。ビーバーのスコルダトゥーラの技法も取り入れた作品となっています。
■ディスクの最後に収められているビーバーのパッサカリアは、無伴奏ヴァイオリン作品の最高峰のひとつ。ファウストの音楽は、たしかな歩みで音楽を運びつつ、音の余白にまで、研ぎ澄まされた神経が行き届いていることが感じられるもの。なにかに突き動かされているように激しさを増す装飾は美しさを一切失わず、その音の連なりが織りなす空気は、人智を超えた神秘の領域を感じさせます。
キングインターナショナル

現在におけるヴァイオリンの最高峰、イザベル・ファウストが、無伴奏によるアルバムをリリース!来日コンサートでは、無伴奏のリサイタルも行っており、その時の曲目も今回満を持して録音しています。使用楽器は、ファウストがバロック作品演奏時に愛用している17世紀チロルの名工ヤコブ・シュタイナーが1658年に製作した歴史的銘器です。
選曲へのこだわりも見逃せません。イタリア生まれでロンドンに移住、イギリスにイタリア音楽を広めたマッテイスと、ロンドンに生まれ、ウィーンで活躍することになるその息子、ヴィヴァルディやバッハからも称賛されたドレスデンの名手ピゼンデル、ルイ15世に仕えた18世紀フランスのヴィルトゥオーゾ、ギユマン、スコルダトゥーラ(変則調弦)を取り入れた個性的な作品で知られるヴィルスマイヤー(フィルスマイヤー)、そしてバロック時代の無伴奏ヴァイオリンの傑作であるビーバーの「パッサカリア」(「ロザリオのソナタ」の最終曲で「守護天使」の副題を持つ)と多岐に渡る内容には驚かされます。
イザベル・ファウストは、それぞれの作品の個性に合わせて、厳しく、柔らかに、激しく、ひそやかに驚異的な集中力で奏でています。その圧倒的な表現力には脱帽するしかありません。
集中してアルバム1枚丸々を一気に聴きたいすばらしい内容です。(山野楽器スタッフ)

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

Be Happy With Music
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次