必聴傾聴盤紹介~『ヘンデル~水と火/シンコフスキー&ビーロック・オーケストラ』

  • URLをコピーしました!
目次

『ヘンデル:水と火~水上の音楽&王宮の花火の音楽/
ドミトリー・シンコフスキー指揮ビーロック・オーケストラ』

ドミトリー・シンコフスキー指揮ビーロック・オーケストラ
録音:2022年4月11月16-19日 バイローケ・ミュージック・センター、ゲント(ゲルギー)

PENTATONE PTC5187013 輸入盤

収録情報

『ヘンデル:水と火~水上の音楽&王宮の花火の音楽』

①水上の音楽 組曲第2番 HWV349
②水上の音楽 組曲第1番 HWV348
③水上の音楽 組曲第3番 HWV350
④王宮の花火音楽 HWV351

ドミトリー・シンコフスキー(指揮)、ビーロック・オーケストラ
ライヴ録音:2022年4月/バイローケ・ミュージック・センター、ゲント(ベルギー)

 ビーロック・オーケストラは、ブランデンブルク協奏曲とダンスを組み合わせたパフォーマンスをしたり、ヴィヴァルディの四季とジョン・ケージを組み合わせた演奏をしたり、ルネ・ヤーコプスと斬新なシューベルト演奏を披露したりと、俊英指揮者や演奏家たちとの刺激的な共演でクラシック界の最先端を突っ走る気鋭のオーケストラ。
 『ヘンデル~水と火』と題されたこのアルバムでは、ヘンデルの「水上の音楽」と「王宮の花火の音楽」を取り上げていますが、迎えた指揮者はドミトリー・シンコフスキー。このシンコフスキーは2006年のライプツィヒ国際バッハ・コンクールのバロック・ヴァイオリン部門で入賞し、バロック・ヴァイオリン奏者として活躍する一方、優れたカウンターテナーとしてもバロック・オペラや教会音楽のジャンルでソリストとして活躍、しかも指揮者としても話題のプロジェクトを手掛けるなど、既成概念にとらわれることのないマルチな活躍を見せる才人なのです。ヴァイオリン独奏やカウンターテナー独唱との兼務で指揮を務めることも多いのですが、このアルバムでは、指揮に専念し、ビーロック・オーケストラとヘンデルの超有名作に、6-6-5-4-3という弦楽器編成と、オーボエ4、バスーン2、コントラバスーン1、ホルン3、トランペット3という管楽器群、リュート2、チェンバロ2、オルガン1という通奏低音陣に、ティンパニとパーカッションも加えた大規模な編成で臨んでいます。どちらの曲もイギリス王室の祝祭行事と関連する大規模な管弦楽を伴う楽曲ですので、至極当然な規模な編成なのですが、その演奏の<尖り具合>はまさに先鋭的と表現するにふさわしいものです。強烈なアクセントや鋭いリズム、咆哮する金管楽器とパワフルなパーカッション、まばゆい色彩を持つ木管楽器に、響きの厚みを感じさせる弦楽器と聴きどころ満載!速い楽章での爽快感もすごいですが、緩徐楽章の優美さもまた絶品。ヘンデル演奏の最先端を行く大注目の演奏なのです。シンコフスキーとビーロック・オーケストラの刺激的な組み合わせによるハイ・パフォーマンスをぜひお聴きください!

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

Be Happy With Music
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次