必聴傾聴盤紹介~『ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集XI~アンナ・マリアに捧ぐ~/ファビオ・ビオンディ&エウローパ・ガランテ』

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『ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集XI~アンナ・マリアに捧ぐ~/ファビオ・ビオンディ&エウローパ・ガランテ』

ファビオ・ビオンディ(ヴァイオリン・指揮)エウローパ・ガランテ
録音:2020年10月9-13日、イタリア
CD NAIVE OPUS111/キングインターナショナル 
KKC6737 輸入盤国内仕様日本語解説付 
国内仕様盤10月上旬発売予定 

収録情報

ヴァイオリン協奏曲
・ニ長調 RV 229
・変ロ長調 RV 363(Il corneto da posta/ポストホルン)
・ニ長調 RV 207
・変ホ長調 RV 260
・ハ長調 RV 179a
・変ホ長調 RV 261
・ラルゴ(RV 179aより~オリジナルの装飾音で演奏)

ファビオ・ビオンディ(ヴァイオリン・指揮)エウローパ・ガランテ
録音:2020年10月9-13日、イタリア

  NAIVEが長年に渡って断続的に進められているヴィヴァルディ・エディションは、ヴィヴァルディの全作品を、旬のアーティストで演奏・録音し、リリースするという一大企画。最近の歩みは実にゆっくりで、リリースも定期的ではないですが、注目の内容が多いこともまた事実。そして今回のリリースは、あのファビオ・ビオンディによる新録音となりました!ファビオ・ビオンディといえば、NAIVE/OPUS111レーベルで数々の鮮烈なヴィヴァルディ録音を発表し、クラシック界に衝撃を与えてきた存在で、かつてはNAIVEのヴィヴァルディ・エディションにも加わっていましたが、別のレーベルからの発売が続いていて、これが約3年ぶり、協奏曲録音に関していえば、5年ぶりの登場となります。まさにヴィヴァルディ・エディションへの帰還と言える内容でしょう(ただし録音は2020年だったようですので、発売が遅れたなんらかの理由があったのかもしれません)。
 さて今回のアルバムのテーマは「アンナ・マリアに捧ぐ」となっています。このアンナ・マリアは、ヴィヴァルディが音楽教師、指揮者として務めていたヴェネツィアのピエタ慈善院付属音楽院のヴァイオリン奏者で、孤児だった幼少期よりピエタ慈善院で育ち、ヴィヴァルディから音楽教育を受ける中で、その才能を開花させた女性でした。ヴィヴァルディは、卓越した技術を持っていたアンナ・マリアのためにいくつもの協奏曲を書いたと言われています。このCDには、そうしたアンナ・マリアのために書かれた協奏曲の中から主に1710~1720年代にかけて作曲された作品が集められています。いずれも長調の協奏曲ですが、アンナ・マリアの高い技術が前提とされている技巧的な作品となっています。
 ビオンディは自ら独奏を取り、手兵エウローパ・ガランテを率いて録音に臨んでいます。弦楽器の編成は、ビオンディも含めて、4-3-2-2-1、そして通奏低音にアーチリュートとチェンバロが加わっています。ビオンディは、高い技術と独特の音色を駆使し、アンナ・マリアのための作品を生き生きと演奏しています。合奏との一体感も爽快です。またアルバムの最後には、RV179aの第2楽章ラルゴの別ヴァージョンが収録されています。この楽章には、おそらくアンナ・マリア自身の手によって書かれたであろう豊かな装飾音が残されており、それを基にした演奏とのことです。その華麗な装飾からはアンナ・マリアの高い技術が伝わってきます。
 演奏だけでなく、楽譜へのこだわりも示したビオンディの新しいヴィヴァルディ演奏にご期待ください!

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