2024年に生誕200年となる偉大なるシンフォニスト、アントン・ブルックナー。この記念の年に注目のアルバムをご紹介します。ここでは珍しい内容のCDをご紹介します。
ブルックナー:合唱と管楽アンサンブル作品集
- エクアーレI Aequale I
- エクアーレII Aequale II
- ミサ ハ長調 「ヴィントハーク・ミサ」
- 「乙女たちはあなたのもとに」 Afferentur regi virgines
- 「舌もて語らしめよ」 Pange lingua
- 「私はしもべダヴィデを選び」 Inveni David
- 「アヴェ・マリア (1861)」 Ave Maria -1861-
- 「マリアよ、あなたはことどとく美しく」 Tota pulchra es Maria
- 「アヴェ・マリア (1882)」 Ave Maria -1882
- 「ロクス・イステ」 Locus iste
- 「正しき者の唇は知恵を語る」 Os justi
- 「われらがためにキリストは死のもとに」 Christus factus est
- 「御身の民を救いたまえ」 Salvum fac populum tuum
- 「エサイの枝は芽を出し」 Virga Jesse
- 「見よ、大いなる司祭を」 Ecce sacerdos magnus
- 「タントゥム・エルゴ」 Tantum ergo
- 「王の旗は翻る」 Vexilla regis
管楽アンサンブル:Walter Preu, Eckart Wiewinner, Harbert Schneider, Stephan Poppe,Gerhard Schroder, Frauke Siems
エバーハルト・ラウアー オルガン Eberhard Lauer
NDR合唱団、ハンブルク NDR Chor Hamburg
ハンス=クリストフ・ラーデマン指揮 Hans-Christoph Rademann
録音:2000年5月21、22日 ハンブルク
*多くの方々の要望に応えて、既発売・廃盤・の83466(#4009350 834668)が装丁を変えて再発売と成りました。
アルブレー
★黄金コンビのラトル& LSO による、2022 年録音のブルックナー第7 番の登場。コールス版による世界初録音です。弦楽器のしたたるような美しさ、そして世界が認める管楽器セクションの雄大な響きとブレンド具合、躍動するリズム、すべてが最高の形で結実した演奏の登場です。
ブルックナーが交響曲第7番の第1楽章を作曲し始めたのは、1881年9月、夏を過ごしたザンクト・フローリアンでのことでした。1883年の9月5日にフィナーレのスコアが完成。初演は1884 年12 月30 日、ライプツィヒでアルトゥール・ニキシュ指揮によって、そして1885 年3 月10 日にミュンヘンでヘルマン・レーヴィ指揮によって初演され、大成功を収めました。この作品は、リヒャルト・ワーグナーの寛大な後援者であるバイエルン王ルートヴィヒ2 世に捧げられています。
この作品には、1881 年12 月8 日に起こった、ウィーンのリング劇場(ブルックナーの居宅の真向かい) での火災(386 人もの人々が亡くなった) や、ブルックナーが臨席した≪パルジファル≫の世界初演(1882 年7 月30 日)、ワーグナーの死(1883 年2 月13 日) などが大きく影響しているとされています。第1 楽章のコラール風の旋律はパルジファルの「救済」というテーマを、第2 楽章は火災の犠牲者への追悼(ワーグナー追悼ともいわれます)、第3 楽章のスケルツォの弦楽器の動きは舐め上げる炎のよう、といわれることもあります。
この作品が誕生するまでには、ブルックナーとその弟子や同僚でもあったフランツ・シャルクとヨゼフ・シャルク、フェルディナント・レーヴェらの助言や彼らとの議論に基づき、数多くの変形や変更が行われました。そのうちのいくつかは自筆譜に見られ、また初版に初めて現れるものもあります。このコールス版は、ブルックナー自身が演奏で何度も耳にした「初版」を中心資料として、ブルックナーの手稿譜などに基づいて構成されています。ラトルは、これまでにコールス版に基づくブルックナーは第6 番(LSO 0842 / KKC 6175)、第4 番(LSO 0875 / KKC 6557) と2 作発表しておりいずれも世界中の注目を集めてきています(第8 番(LSO 3042/ KKC 9333) はハース版に基づく映像)。このたびの第7 番でも、ラトルがどのようにブルックナーの姿に寄り添いながら音楽を彫りあげているか、注目です。
キングインターナショナル
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB 107 (Version 1881–83; Cohrs A07)
〔ベンヤミン=グンナー・コールス校訂版(2015年)による世界初録音〕
サイモン・ラトル(指揮)
ロンドン交響楽団
録音:2022年9月18日&12月1日/収録場所:バービカン・ホール
現代ヨーロッパに数あるプロフェッショナル室内楽合唱団の中でも、トップクラスの実力を誇るラトヴィア放送合唱団。日本への紹介は遅れていましたが、2017年にハインツ・ホリガーが自作上演に際して「この合唱団でなければ!」と指名して初来日。その超絶的なテクニックとアンサンブルの妙技に触れた聴衆の間でセンセーショナルな話題となりました。最近ではONDINEからジョン・ケージの合唱作品集をリリースして卓越したテクニックとセンスを見せつけ、高い評価を呼びました。このディスクでは現代音楽から離れてブルックナーのモテットに取り組み、ヨーロッパの正統的な教会音楽としての美しさ、オーソドックスな合唱団としての力量の高さを聞かせます。クローンシュトルフ・ミサ曲などこの中の何曲かは、ブルックナーがザンクト・フローリアンやリンツなどでオルガン奏者・合唱指揮者として活躍していた40歳くらいまでの間に書かれており、作曲家自身が「未熟な作である」と考えて公表を控えていたものです。そのため演奏機会に恵まれずにいましたが、近年になって真価が認められ、演奏の機会も増えています。どの曲にもブルックナーらしい敬虔な宗教心を感じさせる美しさがあります。※国内仕様盤には歌詞の日本語訳と石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語解説が付属します。
ナクソス・ジャパン
ブルックナー(1824-1896)
1. Os Justi – 正しい者の口は知恵を語り WAB 30
2. Christus factus est – キリストは従順であられた WAB 11
3. Locus iste – この所は神により作られた WAB 23
4. Ave Maria – アヴェ・マリア WAB 6
5. Libera me – リベラ・メ ヘ短調 WAB 21
6-9. クローンシュトルフ・ミサ曲(グローリアとクレドのないミサ曲 ニ短調) WAB 146
I. Kyrie – キリエ II. Sanctus – サンクトゥス III. Benedictus – ベネディクトゥス IV. Agnus Dei – アニュス・デイ
10. Tantum Ergo – タントゥム・エルゴ この故に我らは大いなる秘跡を崇む WAB 32
11. Tantum Ergo – タントゥム・エルゴ WAB 41
12. Tantum Ergo – タントゥム・エルゴ WAB 42
13. Tantum Ergo – タントゥム・エルゴ WAB 43
14. Virga Jesse – エサイの枝は芽を出し WAB 52
15. Pange lingua et Tantum ergo – パンジェ・リングァとタントゥム・エルゴ WAB 33
16. Salvum fac populum tuum – 救い給え、御身の民を WAB 40
17. Tota pulchra es Maria – マリアよ、あなたはことごとく美しく WAB 46
18. Vexilla Regis – 王の御旗は翻る WAB 51
ヤーニス・クルシェヴス(テノール)… 17
クリスティーネ・アダマイテ(オルガン)… 5, 12, 13, 17
シグヴァルズ・クラーヴァ指揮ラトヴィア放送合唱団
録音:2020年3月2-5日リガ大聖堂、ラトヴィア
ブルックナーのピアノ曲を「ブルックナーのピアノ」で聴く!1855年のクリスマスの時期にリンツの大聖堂のオルガニストに就任したブルックナーは、リンツ劇場の指揮者オットー・キッツラーに作曲を師事しました。キッツラーは勉強や練習だけでなく実際に完成した作品を書くことをブルックナーに勧め、その成果を収めたものが「キッツラーの練習帳」と呼ばれています。この練習帳には弦楽四重奏曲や管弦楽曲、少なからぬ数の歌曲とピアノ曲が収められており、中にはベートーヴェンの悲愴ソナタのオーケストレーションもあります。このアルバムではその中からピアノ曲を収録。使われているピアノはブルックナーが所有していたベーゼンドルファー(ブックレットにきれいなカラー写真が載っています)、収録場所もブルックナーゆかりの聖フロリアン修道院、ピアニストもザンクトフロリアン生まれでブルックナー音楽院卒という、ブルックナー尽くしの1枚となっています。クリストフ・ヨハネス・エッグナーはリンツのブルックナー音楽院を卒業後、ウィーンでパウル・バドゥラ=スコダ、今井彰、ルートヴィヒ・ホフマン、オレグ・マイセンベルクに師事。更にパリでブリジット・エンゲラーとミシェル・ベロフに学びました。ソリストとしての活動に加えて兄弟で結成したエッグナー・トリオとしても活躍。欧州主要国はもとより、アジアやオセアニア諸国でも演奏しています。
ナクソス・ジャパン
ブルックナー:
- 練習曲 ト長調
- ワルツ ハ長調
- 半音階の練習曲
- ワルツ 変ホ長調
- 練習曲 ハ長調
- ロンド第1番 ト長調
- アンダンテ 変ホ長調
- 行進曲 ハ長調
- デュオ イ短調
- アンダンテ ニ短調
- メヌエットとトリオ ト長調
- ギャロップ ハ長調
- マズルカ イ短調
- 主題 ヘ長調
- 行進曲 ニ短調
- ロンド第2番 ト長調
- 音楽の時代 ハ長調
- 主題と変奏 ト長調
- ポルカ ハ長調
- 幻想曲第1番 ニ短調
- 幻想曲第2番 ハ短調
- 幻想曲第3番 変ホ長調
- 幻想曲第4番 ヘ長調
- メヌエット ハ長調
クリストフ・エッグナー(ピアノ…ベーゼンドルファー)
録音: 2022年7-8月聖フロリアン修道院、バロックギャラリー(オーストリア北部オーバーエスターライヒ地方)
■ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)の首席クラリネット奏者、オリヴィエ・パテイがRCOのメンバーで構成される室内アンサンブル、カメラータRCOを指揮し、小編成によるブルックナーの交響曲第7番をレコーディング。有名な第2楽章をはじめこの作品が持つ旋律美をフル・オーケストラとは違ったサウンドで堪能することができる聴き逃がせない録音です。弦五部とクラリネット、ホルン、ティンパニにピアノとアコーディオンを加えた計10名での演奏で、一般的に採用されるハンス・アイスラー、エルヴィン・シュタイン、カール・ランクルらの共同編曲による室内アンサンブル版とは異なる編成となっている点にも注目です。国際的な名声を得るきっかけとなったブルックナー屈指の人気作を、RCOの精鋭たちが奏でる小編成ならではの明瞭さを備えた新鮮な演奏でお楽しみください。
■1981年フランス生まれのクラリネット奏者、オリヴィエ・パテイはARDミュンヘン国際音楽コンクールで聴衆賞、カール・ニールセン国際コンクールで第1位を獲得しソリストとしてのキャリアをスタート。また20歳でパリのギャルド・レピュブリケーヌに入団し、その後もロッテルダム・フィル、マーラー室内管などの名門オーケストラで地位を築き、2013年からRCOの首席奏者を務めています。このレコーディングでは指揮の役割を務め、それぞれが非常に高い技量を持つ同僚たちをうまくまとめ上げ、さらに個々の魅力も最大限に引き出しています。
東京エムプラス
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(アンサンブル版)
オリヴィエ・パテイ指揮カメラータRCO
録音:2019年10月6日/聖バーフ大聖堂(ハーレム、オランダ)
*2024年ブルックナーの生誕200年に合わせて発売するアルバムは数々の同レーベルで素晴らしい作品を共に生み出してきた名指揮者ケラーとコンチェルト・ブダペストによるブルックナーの交響曲第7番。(ブルックナーは第9番に続き2作品目と成ります)
*今回のアルバムは優れた録音再生技術を誇るTACETレーベルならではの企画「クラシック音楽の制作プロセスを考える」として全曲演奏、2種の音源が収録されています。録音されたそのまま=Uncut Versionと、録音されたものに修正を施した=Cut Version。レーベルは聴き手に問いかけます「録音に何を求めますか?」。私たちは素晴らしい演奏に感嘆すると共に、現在の録音技術の視点から新たな気づきを得るでしょう。
アルブレー
ブルックナー:交響曲第7番 (録音されたものに修正を施していないUncut Version)
収録時間 63:24 (I 20:33 II 21:21 III 9:17 IV 12:10)
ブルックナー:交響曲第7番 (録音されたものに修正を施したCut Version)
収録時間 63:45 (I 20:43 II 21:21 III 9:15 IV 12:24)
アンドラーシュ・ケラー指揮 Andras Keller
コンチェルト・ブダペスト Concerto Budapest
録音:2019年1月15-19日 ブダペスト、イタリア文化研究所コンサート・ホール