必聴傾聴盤紹介~『シューベルト:ミサ曲第5番/フリーダー・ベルニウス』

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『シューベルト:ミサ曲第5番/フリーダー・ベルニウス』

フリーダー・ベルニウス指揮
シュトゥットガルト室内合唱団、ホフカペレ・シュトゥットガルト
ヨハンナ・ヴィンケル(ソプラノ)エルヴィラ・ビル(アルト)
フロリアン・ジーヴァース(テノール)アルットゥ・カタヤ(バス)
hänssler HC22041 輸入盤
録音 : 2021年10月6-8日、リーダーハレ・シュトゥットガルト、ヘゲルザール

※輸入盤につき、日本語解説は付属していません。

曲目詳細

シューベルト:
ミサ曲第5番(キリエ、グローリア、クレド、サンクトゥス、ベネディクトゥス、アニュス・デイ)

 現代合唱界の大巨匠フリーダー・ベルニウスがシューベルトのミサ曲第5番を録音。すばらしいソリスト、手兵の合唱団、優れたピリオド楽器オーケストラを率いての満を持しての録音です。
 シューベルトのミサ曲第5番は、1819年に作曲が開始され、1822年に一度完成しますが、そのあと、何度も手を加えられた、シューベルトにとって思い入れのあるミサ曲です。ミサのテキストを明確に音楽として示すことが重要視されていて、それに当たって、シューベルトは歌詞の改変さえ(Credoの一部)も行うという強い姿勢を示しています。シューベルトの独自の解釈が入ったミサ典礼文を採用していると言えるのです。
特に力が入っているのは、「GLORIA」(グローリア)の楽章で、中でも最後の「Cum Sancto Spiritu」以降は長大なフーガで締めくくられています。この部分は、ミサの一つのクライマックスで、合唱とオーケストラが一体となって大団円となる様は圧巻です。また「Credo」(クレド)でもシューベルトの先鋭的とさえ言える言葉に対する感覚が強烈に表れていて、聴きどころばかりの傑作と呼べるミサ曲なのです。
 ベルニウスの音楽づくりは、シューベルトの注力したミサ典礼文のテキストの表現を明確に示していきます。優れた合唱団の精緻なアンサンブル、統一されたソリストの表現などベルニウスによる解釈は隅々までいきわたり、演奏者たちのベルニウスへの信頼感、畏敬の念を伺わせます。
 シューベルトの宗教音楽の作品は、他のジャンルの作品に比べれば、まだまだ知名度の低いものとなってしまっていますが、その重要性はこうしたすばらしい録音を聴くことによって高まっていくことでしょう。他のジャンルと同じように、シューベルトは宗教音楽にも大変な愛情と作曲能力を注いでいたのです。そして、そのシューベルトのすばらしい音楽を圧巻の指揮で現代に再現してくれるベルニウスという合唱指揮者の偉大さも知ることができるでしょう。
  

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