必聴傾聴盤紹介~『バードの翼の上で~ウィリアム・バードとその後に活躍した作曲家たち/』ボレアス・カルテット・ブレーメン

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『バードの翼の上で~ウィリアム・バードとその後に活躍した作曲家たち』

ドロテー・ミールズ&マグダレーネ・ハラー(ソプラノ)
坂本龍右(リュート)
ボレアス・カルテット・ブレーメン(リコーダー四重奏団)
ハトホル・コンソート(ヴィオラ・ダ・ガンバ・コンソート)
録音:2022年12月
 聖コスマ&ダミアン教会、ルンセン(ドイツ)
AUDITE AU-97818 輸入盤
2023年12月上旬発売予定

収録情報

①ウィリアム・バード:おお神よ、われをあわれみ
②ヘンリー・ローズ:口づけの対話
③ウィリアム・バード:「主にして日なるキリストよ」第3 番(4 声)
④トマス・キャンピオン:妖精の女王プロセルピナ
⑤ロバート・ジョンソン:サテュロスの踊り
⑥トマス・トムキンズ:パヴァーヌ(5 声)
⑦ウィリアム・バード:ホブ、その人は誰なんだい?
⑧ウィリアム・バード:喜ばしき歌もて勝利を祝え
⑨ウィリアム・バード:「主にして日なるキリストよ」第2 番(4 声)
⑩ウィリアム・バード:天使は優雅なる言葉にて(4 声)
⑪ウィリアム・バード:おお主よ、いかに空しき
⑫ウィリアム・バード:イン・ノミネ(5 声)
⑬ウィリアム・バード:ファンタジア(6 声)
⑭ウィリアム・バード:処女マリアの子宮から
⑮ – ⑱トマス・シンプソン:ターフェル・コンソートからの組曲
⑲オーランド・ギボンズ:見よ、御言葉は肉体となりぬ

ドロテー・ミールズ(ソプラノ)①②④⑦⑧⑪⑭⑲
マグダレーネ・ハラー(ソプラノ)①②⑦⑧⑭⑲
坂本龍右(リュート)①②④⑥- ⑧⑪⑭⑲
ボレアス・カルテット・ブレーメン(リコーダー四重奏団)
【ジン-ジュー・ペク、エリザベト・シャンポリオン、ユリア・フリッツ、ルイーゼ・マンスケ】①③⑤-⑨⑪-⑲
ハトホル・コンソート
【ロミーナ・リシュカ(ディスカント&バス・ガンバ②⑪)、リアム・フェンリー(アルト・ガンバ)、イレーネ・クライン(テナー・ガンバ)、リアム・バーン(バス・ガンバ)】①⑥- ⑧⑩⑫-⑭⑲
セッション録音:2022年12月5-9日/聖コスマ&ダミアン教会、ルンセン(ドイツ)
レコーディング・プロデューサー、マスタリング、エディティング:ジーモン・ベッケンホーフ
エグゼクティヴ・プロデューサー:ルトガー・ベッケンホーフ(audite)

★ウィリアム・バードとその後に活躍した作曲家によるコンソート・ソング、幻想曲、舞曲を、古楽を中心に活躍する名歌手ドロテー・ミールズとマグダレーネ・ハラーが、ボレアス・カルテット・ブレーメン、ハトホル・コンソート、坂本龍右との共演で色彩豊かに演奏。イギリス黄金時代の音楽を上質な演奏でお届けします。
★デビュー・アルバム『「バゼヴィの写本」~オーストリア、マルガレーテ王女の宮廷音楽』(AU-97783)で、権威ある国際的音盤賞であるインターナショナル・クラシカル・ミュージック・アワード(ICMA)を受賞(2022 年)した2009 年の結成のドイツのリコーダー四重奏団ボレアス・カルテット・ブレーメンは、17世紀初頭の作曲家アレッサンドロ・ポリエッティと現代作曲家マルクス・シェーネヴォルフの作品を組み合わせたアルバム『ビトウィーン・スフィア~ポリエッティ&シェーネヴォルフ』(AU-97784)でも高く評価されております。
キングインターナショナル

 優秀な録音で世界的に著名なドイツのレーベルAUDITEより、新進気鋭のドイツのリコーダー四重奏団、ボレアス・カルテット・ブレーメンがウィリアム・バード没後400年を記念するアルバムをリリース!
 『On Byrd’s Wings(バードの翼の上で)』とはもちろん、鳥(Bird)と作曲家の名前のバード(Byrd)をかけたもので、バードの生前からこのような表現はされていたようです。それだけ、バードの音楽が鳥の歌のように美しいものだと認識されていたのでしょう。
 ボレアス・カルテット・ブレーメンのアルバムは、ただバードの作品を並べたものではなく、周辺の作曲家へのバードの影響にも着目した大変凝った内容で聴き手を飽きさせません。バードの楽曲は、教会音楽、リュート歌曲、コンソート・ミュージックなど、幅広い曲目から選曲。リコーダー四重奏を中心に、曲によって、声楽(ソプラノ)、リュート、ヴィオラ・ダ・ガンバ・コンソートで演奏しています。そして、バードとほぼ同時代に活躍したヘンリー・ローズ、トマス・キャンピオン、ローバート・ジョンソン、トマス・トムキンズ、トマス・シンプソン、オーランド・ギボンズというイングランドの作曲家の作品を混ぜ合わせた凝った内容のアルバムに仕立てているのです。
 ソプラノ歌手には、ボレアス・カルテット・ブレーメンがこれまで共演をしているドロテー・ミールズとマグダレーネ・ハラーが参加。現代ドイツ古楽界で最高峰のソプラノ二人の歌は、清新で鮮烈。リコーダー四重奏やリュート、ヴィオラ・ダ・ガンバ・コンソートとも相性抜群で、巧みに溶け合いながら、絶妙な調和を持った響きを聴かせてくれます。その美しさは格別です。バランス感覚に優れたヴィオラ・ダ・ガンバ・コンソート、ハトホル・コンソートの演奏もすばらしく、日本内外で大活躍中のリュート奏者、坂本龍右の表現力も卓越しています。特にミールズとハラーのソプラノと絶妙な掛け合いと溶け合いを聴かせるヘンリー・ロウズの楽曲(②)は格別です。
 バードのアルバムは、アニバーサリー・イヤーということもあり、数多くの優れたディスクが発売されてきていますが、その中でもアルバム・コンセプト、選曲、演奏と抜群のセンスを誇るこの1枚は、バードの作品のアルバムを語る上では欠かせないものになるでしょう。バードの魅力と同時代のイギリス音楽の魅力満載のこのCDをお聴き逃しなく!(須田)

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