アーティスト特集~バンジャマン・アラール~『J.S.バッハ:鍵盤作品全集Vol.1~若き継承者』

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『J.S.バッハ:鍵盤作品全集Vol.1~若き継承者』

[CD1]オルドルフ時代
1. ヨハン・ミヒャエル・バッハ(1648-1694):コラール「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」
J.S.バッハ(1685-1750):
2. ファンタジア ハ長調 BWV570
3. コラール「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」ハ長調 BWV 700
4. フレスコバルディ(1583-1643):ベルガマスク F12.46
5. ヨーハン・クリストフ・バッハ(1642-1703):プレリュードとフーガ 変ホ長調
6. クーナウ(1660-1752):ソナタ第4番「Hiskia agonizzante e risanato」
7. J.S. バッハ:コラール「古き年は過ぎ去りぬ」BWV 1091
8. J.S. バッハ:コラール「わがことを神にゆだね」BWV 1113
9. ゲオルク・ベーム(1661-1833):コラール「天にましますわれらの父よ」
J.S.バッハ:
10. コラール「キリストこそわが生命」BWV 1112
11. アルビノーニの主題に基づくフーガ ハ長調 BWV 946
12. フーガ イ長調 BWV 949
13. コラール「源流を求めて」BWV 1119
14. コラール「キリストよ、受難せる汝に栄光あれ」BWV 1097
15. コラール「神の子は来たりたまえり」BWV 724
16. コラール「おお、イエスよ、いかに汝の姿は」BWV 1094
17. フローベルガー(1616-1667):カンツォーナ
18. パッヘルベル(1653-1706):コラール「バビロンの流れのほとりに」
19. ルイ・マルシャン(1669-1732):組曲 ニ短調よりプレリュード、サラバンド、シャコンヌ
20. J.S. バッハ:プレリュードとフーガ イ短調 BWV 551
21. ニコラ・ド・グリニー(1672-1703):グラン・ジューのポワン・ドルグ

バンジャマン・アラール(オルガンとチェンバロ)
使用楽器:
チェンバロ(エミール・ジョバン、1612年ルッカース&ジョアンヌ・ドゥルケン(1747)モデル)
(4, 5, 6, 12, 17, 19)
オルガン(ストラスブール、聖オーレリー教会、1718年ジルバーマン)
(1, 2, 3, 7, 8, 9, 10, 11, 13, 14, 15, 16, 18, 20, 21)

ジェルリンド・ゼーマン(ソプラノ)(3, 7, 8, 10, 13, 14, 15, 16)

harmonia mundi KKC6225(3CD) 
輸入盤国内仕様

 日本ではソリストというよりも、ラ・プティット・バンドの通奏低音奏者として名が知られているバンジャマン・アラール。ソロでの録音もいくつか発売されており、そのどれもが最高の演奏であるにもかかわらず、まだまだ知名度を得ているとまでは言えない存在であるアラールですが、ヨーロッパでは若くして、あの古楽界の大巨匠レオンハルトと比較されるほどの逸材として最高の評価を得ているのです。そんな彼がフランスの大レーベル“harmonia mundi”からソロ録音をリリース開始!しかもバッハの鍵盤作品全集という大企画をスタートさせたのです!チェンバロもオルガンもハイレベルに演奏できるアラールならではの企画と言えるでしょう(この点もレオンハルトと比較される所以だと思います)。第1弾となったこのアルバムには、若き日のバッハの作品が集められています。しかし、ただ単にバッハの作品を羅列するわけではなく、若きバッハが憧れ、影響を受けた先輩作曲家たち(クーナウ、フレスコバルディ、ベーム、フローベルガーなど)の作品も織り交ぜ、時にソプラノによるコラール歌唱も加えながら、構成されています。若きバッハがどういった作品を研究・吸収し、成長し、自らの芸術を創り上げていったかを、音楽として知ることのできる充実の内容となっているのです。もちろん、アラールの演奏も非の打ちどころがありません。ジルバーマン・オルガンの壮麗な音色を完璧に操り、優れたルッカース・ドゥルケン・モデルのチェンバロを鮮やかに弾きこなしています。この若さにしてこの風格!圧倒的な説得力を持つ堂々たる演奏には脱帽するほかありません。シリーズの完成が待ち遠しくて仕方なくなること必至のアルバムです。

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