アーティスト特集~フランチェスコ・コルティ~『J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第1集』

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『J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲集第1集』

J.S.バッハ:
①チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 BWV1052
②チェンバロ協奏曲第2番 ホ長調 BWV1053
③チェンバロ協奏曲第4番 イ長調 BWV1055
④チェンバロ協奏曲第7番 ト短調 BWV1058

フランチェスコ・コルティ(チェンバロ)
イル・ポモ・ドーロ

セッション録音:2019年3月1-5日/グスタフ・マーラー・ホール(イタリア、トレンティーノ=アルト・アディジェ州、ドッビアーコ)

PENTATONE KKC6240
輸入盤国内仕様

2006年第15回国際ヨハン・セバスティアン・バッハ・コンクールのチェンバロ部門で第一位を獲得し、2007年からはミンコフスキに招かれて、ルーヴル宮音楽隊に参加、現在ソリストとしても通奏低音奏者としても大活躍中のチェンバロ奏者フランチェスコ・コルティが首席客演指揮者を務める気鋭のピリオド楽器グループ、イル・ポモ・ドーロとバッハのチェンバロ協奏曲集を録音。これはその第1集です。最近のバッハのチェンバロ協奏曲の録音では、各パート一人の極小編成が主流ですが、ここではコルティ自らが曲のテクスチュアや個性から、各弦楽器の人数を2~3人に設定しています。これはコルティの楽曲研究が生んだ選択なのです。 演奏の特徴はなんと言っても圧倒的推進力。かなり早めのテンポ設定がなされ、チェンバロと弦楽合奏のスリリングな掛け合いは聴き手をグイグイと演奏に引き込んでしまいます。有名な第1番BWV1052 の冒頭からそのスリリングさは満点で、低音強めの密度の濃い弦楽合奏の重厚な響きに驚かされます。早めのテンポ設定の演奏ではどうしても淡白になりがちなのですが、この弦楽合奏の濃い響きが淡白さを排除し、超絶テクニックで即興的装飾を入れまくるコルティの雄弁すぎるほどの独奏が、さらに密度を高めています。緩やかな第2楽章での“間”の取り方も絶妙。体感的要素と知的遊戯が高次元で融合した新時代の名演と言えるでしょう。ペンタトーンによる録音も超優秀で、この演奏の颯爽としたカッコよさを強調しています。間違いなく今後のバッハ演奏のスタンダードになる超名演です!日本語解説には演奏者による演奏に関する序文と詳細な解説の翻訳、日本語独自の解説が付属。特にジョン・ステルによる楽曲解説は、バッハのチェンバロ協奏曲の最新研究と言えるので、バッハ・ファンは必読でしょう。演奏、録音、解説とまさにバッハ演奏の最前線がここに!

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