圧倒的歌唱力でおくるマイケル・スパイアーズのバロック・アルバム

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『コントラ=テノール』
マイケル・スパイアーズ(テノール)

フランチェスコ・コルティ指揮イル・ポモ・ドーロ
録音:
2020年9月15-22日、イタリア、ロニーゴ、ヴィラ・サン・フェルモ
ERATO 5419.729346 輸入盤

収録曲目

リュリ:歌劇『ペルセー』~ アリア「Cessons de redoutez」
リュリ:歌劇『ペルセー』~ パッサカリア
ヘンデル:歌劇『タメルラーノ』~ アリア「E il soffrirete, d’onestade, oh Numi?…Empio, per farti guerra」
ヴィヴァルディ:歌劇『パルティア王アルタバーノ』~ アリア「Cada pur sul capo audace」
ヴィンチ:歌劇『ウティカのカトーネ』~ アリア「Si sgomenti alle sue pene」
ポルポラ:歌劇『ゲルマニアのゲルマニコ』~ アリア「Nocchier, che mai non vide l’orror della tempesta」
ドメニコ・サッロ:歌劇『シーロのアキッレ』~ アリア「Fra l’ombre un lampo solo」
ガルッピ:歌劇『インドのアレッサンドロ』~ アリア「Vil trofeo dun alma imbelle」
ガエターノ・ラティッラ:歌劇『ペルシャ王シロエ』~ アリア「Se il mio paterno amore」
ハッセ:歌劇『アルミニオ』~アリア「Solcar pensa un mar sicuro」
ラモー:歌劇『ナイス』~アリア「Cessez de ravager la terre」
アントニオ・マリア・マッツォーニ:歌劇『アンティゴーノ』~アリア「Tu m’involasti un regno」
グルック:歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』~アリア「エウリディーチェを失って」
モーツァルト:歌劇『ポントの王、ミトリダーテ』~アリア「月桂冠を頂いて」
ニコロ・ピッチンニ:歌劇『ロラン』~アリア「En butte aux fureurs de l’orage」

マイケル・スパイアーズ(テノール)
イル・ポモ・ドーロ
フランチェスコ・コルティ(指揮、チェンバロ)

録音:2020年9月15-22日、イタリア、ロニーゴ、ヴィラ・サン・フェルモ

テノール歌手ながら、バリトンの両方の声をもつ歌手マイケル・スパイアーズ。世界的に高い評価を得た前アルバム『バリテノール』に続く、バロック作品を中心にバリトンからハイテノール等を含む幅広い声質と表現を駆使したレア・アリア集!テノール歌手マイケル・スパイアーズは、1980年アメリカのミズーリ州で生まれ、2008年にドイツでのロッシーニ・フェスティバルでの『ロッシーニ;歌劇「オテロ」』のタイトルロールで高評価を得ました。その後ベルリオーズ『ファウストの劫罰』では特に高い評価と国際的な評価を得ています。2016年にも東京交響楽団での『ファウストの劫罰』で絶賛を浴びています。エラートからリリースしたジョン・ネルソン指揮によるベルリオーズ・シリーズ「ファウストの劫罰」「トロイ人」「レクイエム」。2020年にリリースしたローレンス・ブラウンリーと一緒に作ったロッシーニのアルバムでも、彼の輝かしい高音の素晴らしさだけでなく、同時に彼の頑強な低音域を聴くことができます。
もともと彼は最初の10年間はバリトン歌手でしたが、その後テノールに転向しました。キャリアとして、バリトンとして4つのオペラを歌いましたが、テノールとしては約80のオペラを歌っています。テノールからバリトンまで幅広い音域を持つオペラ・アリアを集めた前アルバム『バリテノール』は、そのテクニックと表現力で世界的に高い評価を得ました。
バロックからモーツァルトの時代のオペラは、現代で言う音域で作曲されるのではなく、起用される歌手の音域に合わせて作曲されるのが常でした。通常の音域を超越した歌手、独自な歌唱法をもった歌手らが登場し、そうしたアリアで観客を魅了させ大人気を博したのでした。カストラートら特にそうした歌手らで、テノール歌手は追いやられてしまったのですが、彼らと戦いながら声に磨きをかけるために特徴を求めていったのでした。
このアルバムでは、当時のそうした超絶テクニックで博したテノール歌手らのために書かれた作品が選ばれており、スパイアーズお得意の低音バリトンからハイテナーという音域を駆使した人間の声の絶対的な極限に挑んでいます。これらは彼だけが持つ驚異的な訓練によるもので、通常の歌手たちは喉を潰してしまうために決して行わないことです。さらにフランチェスコ・コルティと作品を協議し、世界初録音作品、初演版での歌唱など、様々に魅力が引き出されたアルバムに仕上がっています。(メーカーコメント)

バロックから古典期のアリアを集めたマイケル・スパイアーズによる圧巻の歌唱が聴けるアルバムです。その音域の広さ、表現力の高さには脱帽です。フランチェスコ・コルティ率いるイル・ポモ・ドーロの演奏もスパイアーズを盛り立てながら、時にあおるほど鮮烈で、曲ごとに異なる個性を明確にさせつつも、全体としてまとまりのあるアルバムに仕立て上げているのはコルティの腕でしょう。(山野楽器スタッフ)

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