17世紀ローマの豪奢な教会音楽を再現!ベネヴォリの大規模ミサ曲!

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『オラツィオ・ベネヴォリ:ミサ曲「汝はペテロなり」』
ロバート・ホリングワース指揮イ・ファジョリーニ、ザ・シティ・ムジク
録音:2023年6月28日-7月1日、セント・オーガスティン教会(ロンドン、イギリス)

CORO CORー16201 輸入盤

収録情報

オラツィオ・ベネヴォリ:ミサ曲「汝はペテロなり」――
パレストリーナ:汝はペテロなり
オラツィオ・ベネヴォリ(1605-1672):ミサ曲「汝はペテロなり」-キリエ、グローリア
ボニファツィオ・グラツィアーニ(1604-/5-64):主よ、汝の憤りをもてわれを責めたもうなかれ
ベネヴォリ:ミサ曲「汝はペテロなり」-クレド
グラツィアーニ:さあ、諸人よ
ベネヴォリ:ミサ曲「汝はペテロなり」-サンクトゥス、アニュス・デイ
グラツィアーニ:Ad mensam dulcissimi、Justus ut palma

☆これまでほとんど歌われてこなかったオラツィオ・ベネヴォリのミサ曲「汝はペテロなり」!
☆4つの合唱団を用いる特異な編成は聴きものです!
■ロバート・ホリングワースによって1986年にオックスフォード大学で結成され、2006年5月にはロイヤル・フィルーハーモニック協会から”アンサンブル・アウォード”を授与されたイギリスの実力派古楽系アンサンブル、イ・ファジョリーニ。Coroからのリリース第4弾となる新録音は、イタリア初期バロックの重要人物オラツィオ・ベネヴォリ(1605-1672)の多声合唱の芸術を探求!
■パレストリーナの著名なモテット「汝はペテロなり」を基に作曲されたベネヴォリのミサ曲「汝はペテロなり」は、ローマに新しく建設されたサン・ピエトロ大聖堂のために書かれたものと思われます。この作品は編成が非常に特殊で、4つの合唱団〔合唱1:ソプラノ、ハイ・テノール、バリトン、バス/合唱2:ソプラノ、コルネット(ツィンク)、ハイ・テノール、バリトン、バス、トロンボーン/合唱3:メゾ・ソプラノ、ヴァイオリン、ハイ・テノール、バリトン、バス、バス・ヴァイオリン/合唱4:メゾ・ソプラノ、リコーダー、ハイ・テノール、バリトン、バス、バス・ドゥルツィアン/通奏低音1:オルガン、ハープ/通奏低音2:オルガン、キタローネ の、器楽も含めた4グループ(+通奏低音)〕によって構成されています。
東京エムプラス

ベネヴォリは、17世紀イタリアの作曲家で、ローマ出身。ウィーンの宮廷に仕えた後、ローマにもどり、ヴァチカンで聖歌隊長を務めました。数十声部を擁する大規模な宗教作品を作曲したことで知られ、かつてはビーバーの有名な53声部におよぶ「ザルツブルクのミサ」を作曲したとされていました。ここに収録されたミサ曲「汝はペテロなり」は、ローマで活躍した先輩作曲家であるパレストリーナの有名な6声のモテットを基にした4つの合唱隊が要求される巨大な編成のミサ曲です。ローマのサン・ピエトロ大聖堂のバシリカ式教会堂の建て替えが完成したのちの祝祭のためのミサのために作曲されたようです。この巨大なスケールを持つ作品が、17世紀の偉大なる彫刻家にして、建築家であったベルニーニが設計・指揮した大天蓋の下で、この巨大なスケールのミサ曲が歌唱・演奏された様子はどれほど壮観であったことでしょう。
このアルバムでは、ベネヴォリのミサ曲の原曲であるパレストリーナのモテットを冒頭に収録し、ベネヴォリのミサ曲との比較ができるようになっています。ベネヴォリがパレストリーナの素材を使いながら、いかに巨大に仕立て上げたかを理解しやすい構成です。またミサ曲の間には、ベネヴォリと同時代のローマで活躍した作曲家ボニファツィオ・グラツィアーニのモテットをはさみ、ミサ曲を彩っています。グラツィアーニの作品は、ルネサンス時代のポリフォニーを基とするベネヴォリの作品とは対照的に、モンテヴェルディの影響を感じさせるイタリア・バロック初期の様式で、ベネヴォリのミサ曲との対比が楽しめます。
16-17世紀の大規模教会音楽の演奏・録音に長けたロバート・ホリングワースが自ら主宰するイ・ファジョリーニと古楽系吹奏楽団ザ・シティ・ムジクをまとめあげ、巨大なスケールの音楽をスペクタクルな音響で聴かせてくれます。17世紀ローマの豪奢な音楽芸術をお楽しみください!(山野楽器スタッフ)

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